上士幌町の文化財

北海道河東郡にある上士幌町は、大雪山国立公園の東山麓に位置している人口約5,000人の町です。

この上士幌には、さまざまな文化財が点在しています。上士幌カーシェアサービスを使い、歴史ある地域文化に触れてみませんか?

日本遺産

日本遺産とは、文化庁が認定した地域の歴史的魅力や特色を通じて、日本の文化や伝統を語るストーリーとして、パッケージ化した有形および無形の文化財を指します。

世界遺産や文化財指定とは違い、これら地域遺産として価値ある「面」として情報発信することで、人材育成、伝承、環境設備の取り組みを進め、地域活性化を図ることを目的としています。

  1. 地域に点在する文化財の把握とストーリーによるパッケージ化
  2. 地域全体としての一体的な整備・活用
  3. 国内外への積極的かつ戦略的・効果的な発信
出典:日本遺産 ポータルサイト >日本遺産事業の方向性

この上士幌町には、複数の地域と跨って(またがって)認定されている日本遺産が登録されています。

STORY#55 カムイと共に生きる上川アイヌ

大雪山の東山麓に位置する上士幌町は、他の地域と共有する多くの歴史ある上川アイヌの文化が存在します。

中でも上士幌が認定されている日本遺産は、

  • 大雪山
  • 然別湖
  • 三国峠の大樹海

の3つです。神々の遊ぶ庭「カムイミンタラ」と呼ばれていた大雪山を中心として、多くの自然、伝説を上川アイヌ文化として今も息づいています。

大雪山
然別湖
三国峠

上士幌町 文化財

北海道指定 天然記念物

  • 然別湖のオショロコマ

天空の湖と呼ばれている然別湖に生息するオショロコマ。この生物は独特の進化を遂げてミヤベイワナと呼ばれています。

秋の然別湖
然別湖のオショロコマ

上士幌町指定 文化財

史跡
  • 嶋木遺跡~上士幌町文化財指定第一号

上士幌町には、数多くの遺跡が存在しています。その中でも嶋木遺跡は、昭和42年(1967年)に帯広畜産大学の調査班が発見した遺跡です。

この遺跡の中には、シベリア地方にある黒曜石の石器と類似し出土品が発掘されたので、昭和62年(1987年)には、日ソ共同口学調査が行われたのです。

これらの調査結果で、約2万年前の地層から旧石器時代の細石刃(さいせきじん)が見つかりました。この遺跡は国内最古という重要とされるものです。

細石刃(さいせきじん)とは:全長約3㎠以下、幅0.5㎝前後。いくつかを木や動物の骨の柄に溝を掘り、はめ込んだ小形の石刃。替え刃式の石器であり、植刃器や尖頭器として用いられたそうです。

槍や銛の先端近くに刃として埋め込んで貫通性能を高め、槍全体を軽量化させ、投げ槍としての命中率を高める効果があったともいわれています。

北海道に人々が暮らし始めたのは、約2万年前の氷河期と推定されています。北海道内でも極寒で知られている河東郡上士幌町。当時の人々は、この地でどのような生活を行っていたのかが気になりますね。

住所 〒080-1408 北海道河東郡上士幌町字上士幌東4線
天然記念物
  • 三股永久凍土

永久凍土とは、2年間以上もの月日を継続して温度0℃以下をとる地盤のことです。氷というものではなく、あくまでも温度条件で凍った土壌という意味だそうです。

年平均気温が氷点下よりも低い気候の地域で形成されることが主であり、その規模は気候に応じて異なります。

永久凍土は、北半球のシベリアやアラスカなどの極寒の地域にみられるものですが、日本の数か所の地域でも存在していますが、そのひとつが東大雪地域にある三股永久凍土です。

13の沢に2か所(標高770~850m)、14の沢に1か所(標高850~900m)あるといいます。

日本国内の永久凍土について
地域 標高
富士山、北アルプス、大雪山 標高2,000以上
東大雪地域 800〜1,000m程
  • 丸山噴泉塔群

丸山は知名度は低いものの、東大雪にある唯一の活火山であり、噴泉塔があることで知られています。

温泉が噴出すると、含まれる成分が空気にふれ沈殿物となります。その姿は白くて美しく、石灰華と呼ばれています。石灰華の成分は主に炭酸カルシウムであり、それが長い年月をかけて固まったものが噴泉塔という塔のような形状です。

1mを超える噴泉塔は世界的にも珍しく、丸山噴泉塔群にある噴泉塔でも最も高いものは2.7mもあり、世界規模でみても1番高いといわれている貴重なものです。

その周辺でも至る箇所でガスが放出され、いまもなお噴泉塔を作り続けています。

住所 〒080-1402 北海道河東郡上士幌町字幌加
有形文化財
  • 音更山道碑
音更山道碑

ぬかびら源泉郷が栄えたのは、先人の苦労があってのことでしょう。

音更山道碑は、国道273号線の傍らにあります。これは、十勝開拓の建設資材にあてるために、明治25年に釧路監獄の囚人たちの手により誕生した国道糠平街道、この工事を記念して建てられた碑です。

開拓されていない道づくりに、当時は並々ならぬ労力を伴いました。奇岩と断崖続く激流の縁に刈り分けた道。そこを食糧と作業具を背に担いでユウンナイ(糠平湖底)の大樹海を伐採しました。

約16キロの道路開削工事は、6,000人もの囚人たちが3ヶ月もの時間をかけて大正7年に糠平街道(当時の音更山道)として完成させました。

のちに造られた糠平ダムにより音更山道の一部は水没し、令和となった現在は、当時の面影とは違う景観となりましたが、切り立った屏風岩の美しさは今も健在です。

囚人といえども、上士幌町の歴史を築いてきた先人に敬意を払いたいものですね。

住所 〒080-1404 北海道河東郡上士幌町町字字黒石平75

国登録 有形文化財

  • 旧国鉄士幌線勇川橋梁
  • 旧国鉄士幌線第三音更川橋梁
  • 旧国鉄士幌線第五音更川橋梁
  • 旧国鉄士幌線十三の沢橋梁
  • 旧国鉄士幌線第六音更川橋梁
  • 旧国鉄士幌線音更トンネル
  • 旧国鉄士幌線糠平川橋梁
  • 旧国鉄士幌線三の沢橋梁
  • 旧国鉄士幌線幌加駅プラットホーム

旧国鉄士幌線のコンクリートアーチ橋

旧線